当社は、ペリオスチンの研究を基盤とし、病的ペリオスチンをターゲットにした医薬品開発を進めています。特に、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を含む転移再発症例における新規治療薬の開発に注力しています。TNBCは若年女性が罹患しやすく、5年生存率が5割以下という深刻な疾患です。私たちは、早期の新規治療薬開発を目指し、臨床試験の準備を順調に進めています。
当社では、 病的ペリオスチン特異的中和抗体を複数保有し、大阪大学の協力により、最先端技術を取り入れ、革新的な治療薬の開発を推進しています。
当社の創薬アセットの特徴は病的ペリオスチンに対する特異的な中和抗体の開発ならびに病的ペリオスチン発現解析用の診断薬です。これらを組み合わせることで病的ペリオスチンの発現を病態とする患者を見出し、がんや糖尿病性網膜症、急性心筋梗塞などの難治性炎症性疾患などの進行性の病態における革新的な治療薬の開発を目指した高いポテンシャルを持つ技術の集合体です。私たちは、ペリオスチンを標的とした抗体医薬品の開発に注力しており、この分野において世界をリードする研究成果を蓄積しています。
また、もう一つの特徴として、病的ペリオスチンに対する特異的な中和抗体の開発能力にあります。これにより、がんや線維症などの進行性の病態におけるペリオスチンの異常な活性を効果的に抑制することが可能です。これらの抗体は、特定の病的環境でのみ作用し、正常な組織に対する影響を最小限に抑えることで、高い安全性を実現しています。
この技術は、他社に対する競争優位性を確立し、未だ治療法が限られている疾患に新たな選択肢を提供します。さらに、アンメッドメディカルニーズの高い疾患領域をターゲットとしているため、グローバルな市場でも高い需要が期待されます。
ペリオスチンは、細胞外マトリックスと呼ばれる組織の構造を支える成分の一つで、細胞とその周囲の結合を助ける重要な役割を果たしています。正常な組織の成長や修復に貢献する一方で、過剰に産生された場合には、がんや糖尿病性網膜症、急性心筋梗塞といった難治性炎症性疾患などのさまざまな病態に関連することが知られています。
当社では、特に病的ペリオスチンに注目し、その作用を抑制することで、難治性疾患に対する新しい治療法の開発を目指しています。私たちの研究は、ペリオスチンの病的な働きを特異的に抑える抗体の開発に焦点を当て、安全で効果の高い治療薬をがんや線維症に苦しむ患者さんに一早く届けることを目指しています。
これまで治療法のなかった難治性疾患に対する新たな治療薬の創出を目指し、今後も果敢に挑戦を続けていきます。特に、病的ペリオスチンをターゲットとした革新的な抗体医薬品の開発をさらに進め、転移再発HER2陰性乳がんや他の難治性疾患に対する治療法の確立に向けて努力を重ねます。しかし、治療薬の実用化には数々の課題が存在します。臨床試験や規制当局の承認をクリアし、製品化へと繋げる過程には多くの困難が伴います。それでも、私たちは技術力とアカデミアとの協力体制を駆使し、これらの挑戦に立ち向かい、最善の治療法を患者さんに届けるという使命を果たしていきます。